みんなの冷水浦駅ノート

2021.02.24

昔、スキマスイッチの歌で「ボクノート」という曲がありました。映画版『ドラえもん』の主題歌だったかな。「思いを綴ろうとここに座って言葉探してる」という歌詞のあれです。

 

冷水浦にもあるんです。書き手が自分の気持ちに耳を澄ませて、もくもくと綴っているようないい感じのノートが。そのノートがあるのは、ここ。JR冷水浦駅です。

 

 

無人の小さな駅で、1時間に2本程度と停車本数は少ないのですが、紀伊半島の海沿いをUの字に走る紀勢本線上にあるため、旅の途中に散策がてら降車する人もいるようです。

 

そんな冷水浦駅にあるのが、今回ご紹介したい、その名も「冷水浦駅ノート」です。

 

 

場所は、冷水浦駅から和歌山駅方面に向かうホームのベンチ横。壁をよく見ると、半透明のファスナー付きのフォルダが紐でぶらさがっていて、この中に歴代3冊分の「冷水浦駅ノート」と鉛筆が入っています。

 

 

表紙には「自由にお書きください」と、ゆるめの手書き文字。そのノートに、冷水浦散策を終えて帰路の電車を待っていたであろう人たちが、旅の思い出や冷水浦を訪れた理由などをあれこれ書き綴っています。

 

電車を1本逃したら30分くらい待つので、ゆったりした時間の中でみんな思い思いに書いているようで、なかなか見応えがあります。

 

 

絵の才能が炸裂している書き込みや、「学校に遅刻したので冷水浦に来た」(学校休んだ?)とか「まだ卒業したくない」「海が見たい」「失恋した」とかと青春を感じる書き込みなど。

 

このノートには以下3つの使用ルールが明記されているのですが、だんだん書き手が①②そっちのけでのびのび書(描)いている感じもいいし、③のルールだけ少し哲学っぽいのもいい。

 

① 使う量は少なく
② できるだけコンパクトに
③ 使う時を考える

 

 

いったい誰がいつからはじめたのか、謎多き「冷水浦駅ノート」ですが、ゆったり・ほっこりした足跡が何気なく残されているのも冷水浦らしくて素敵だなと思ったのでした。

 

冷水浦にお立ち寄りの際はノートの仲間入りをぜひ。③のルールとスキマスイッチに則って、思いを綴ろうとベンチに座って言葉を探し出せた時にどうぞ。