ぐっとアクセルを踏んで
晴れた日は庭で草刈り、雨の日は屋内の整理。
ここ最近は、そんな日々を送っています。
2017年の秋からRe SHIMIZU-URA PROJECTをスタートして、1軒の空き家にはじまり、いろいろ縁あって「omoya」「hanare」「kura」「355」と気付けば物件は4軒に増え、約3年間ほそぼそと改修作業を続けています。
サグラダ・ファミリアのように月日の経過とともに変化し続ける場所にしたいから、完全な終わりはなくて。だけど、仲間たちと思い描いた仕上がりのイメージはもちろんあります。4周年を迎える今年の秋頃には、いろんな人に胸を張って「おいでよ!」と言える場所にしたい。
そんなわけで、これまで以上にぐっとアクセルを踏んで、改修を続ける今日この頃。といっても作業としては地道なものばかりです。大変だけど、音楽を聴いたり仲間と談笑したり、豆をゴリゴリしてコーヒーを淹れてチョコレートをお供に休憩時間を取ったりと、楽しみながら。
地道な作業を少し紹介すると、例えば庭の草刈り。去年は働きにきてくれた大学生たちと一緒に全て手作業で草引きをしていましたが、なかなか大変なので、今年はマキタ製の充電式草刈機・MUR189DSFを導入してみました。
樹脂刃だから安全だけど綺麗に刈り取れるか…?と当初は心配だったけど、これが優れもの。結構ざくざく刈れました。
で、何が地道かというとそのあとの作業。当然ながら草刈機なので、根っこは残る。なので、そのあとは抜く必要がある。今のところ手作業だけど、予想以上に時間がかかりそうだから、鎌を使って全体的に掘り起こしてから根を集めるか、いっそ耕運機を入れるか検討中です。
他には、庭でとれた土を使って、土台の不陸を調整する作業。不陸は「ふりく」や「ふろく」と読む、建築用語・不動産用語です。簡単にいうと、凹凸や傾きのこと。部材や表面が水平ではないことを指します。
omoyaの1階は半分以上を土間として使用する予定で、この部分の不陸の調整を行います。庭の土はいろんなサイズの石や砂が混じっているので、スコップでバケツに入れて、バケツから少しずつフルイに乗せて、ある程度サイズを揃えて分類。荒い・中くらい・細かいの3つに分けて、土台の下地と仕上げの層に使います。
これが想像以上になかなか終わらない。コツコツやるっきゃないやつ。
あとは、和便器のリサイクル。使わなくなった和便器をそのまま廃棄せずに、砕いて再生骨材にします。骨材はコンクリートやモルタルをつくるときに使用するもの。セメントと水と一緒に骨材を混ぜ合わせることで、発熱反応やヒビ割れを抑えることができます。
土の上に和便器を置いて、ハンマーでコンコンと叩きます。防御メガネをかけて、手袋もして。ずっと力一杯叩くと疲れてくるので、“軽いコンコンコン+強めのコン”がおすすめ。凹の破片は割れにくいので、ときどき手で凸の向きに変えて叩きます。最後は袋に入れて、おしまい!
こんな感じで、地道な作業はまだまだ続きます。
きっと「不要なものは全て捨てて、既製品を入れて、ちゃちゃっと終わらせたらええやん」と思う人もいるかもしれませんが、そうじゃないのがRe SHIMIZU-URA PROJECT。
できるだけ循環して、いろいろ実験しながら「空き家を活用して、こういう暮らしもできるよ」と具体的に提案できる場所になればいいなと思います。