季節就労者のための住まいをつくる滞在型スクール「木域塾@冷水浦」開催しました!
7月11日(木)〜14日(日)に開催された「木域塾(もくいきじゅく)@冷水浦」。あれからもう2週間も経ったのかと驚くのは、そこで出会った人たちとの関係性がまだ続いているから。多くの方々のおかげで、無事開催することができました。本当にありがとうございました!
「木域塾ロスです」と言って後日会いにきてくださる受講生の方がいるくらい濃い4日間だったので、全てを語るのは到底できそうにないですが、少しだけここで紹介させていただきます。
「木域塾@冷水浦」とは、2024年7月11日(木)〜14日(日)和歌山県海南市冷水浦で開催された「季節就労者のための住まいをつくる」4日間の滞在型スクールです。
主催者は、大阪公立大学工学部建築学科 建築計画・構法研究室。会場は、Re SHIMIZU-URA PROJECTの拠点のひとつ「チャイとコーヒーとクラフトビール」。題材は、会場の近隣にある木造2階建ての空き家の1階です。
「人々が集まる拠点づくり」を通してこの場所を一人一人の拠り所とするべく、地域の自然物を用いたリノベーションを体験するワークショップと、毎夕2組のゲストを招き「モバイルな就労・居住」を考えるトークイベントが行われました。
ワーク1日目は、冷水浦の町歩きをして、お昼は冷水浦の漁師さんがとって冷水浦の加工屋さんが加工した釜揚げしらすを白ごはんにかけて食べ、解体作業へ。天井を剥がすところからスタートしました。
ワーク2日目は、解体して建築するチームと、自然物を収集して建築の素材をつくるチームに分かれました。素材のひとつを紹介すると、例えば牡蠣の貝殻。ただのゴミにすれば有料処分になりますが、これを価値ある素材として再利用します。
昔からある建築の伝統工法に「三和土(たたき)」というのがあります。日本ならでは島国特性のつくりかたで、その土地から取れる素材を合わせて化学反応を起こし、床を固めるというもの。土・消石灰・にがりなどといった3種類の素材を混ぜて塗り、たたき固めます。言ってみれば、日本版のセメントです。今回は、過去に土蔵を解体した際に出た土と、焼いて砕いた牡蠣の貝殻、煮詰めた海水(にがり)を使いました。
ワーク3日目。前日まで解体チームはたたきの土台を、素材チームはたたきの原料をつくっていましたが、ここでいよいよ両者が合わさって「三和土」の土間づくりにかかりました。
受講生たちの晩御飯で連日お世話になったのは、題材となった空き家の隣にあるお好み焼き屋さんです。現在は開業準備中で、友人知人を招いた試運転をしているところなのですが、今回お願いして受講生にもお好み焼きと焼きそばを振る舞っていただきました。
このお好み焼き屋さんは、「チャイとコーヒーとクラフトビール」の立ち上げに協力してくれた冷水浦のご夫婦が、Re SHIMIZU-URA PROJECTの物件を活用して営んでくださっています。Re SHIMIZU-URA PROJECTとしてお店の改装のお手伝いもした仲です。
ついに迎えた、ワーク4日目。「三和土」の総仕上げが終わり、木造2階建ての1階部分はオープンな土間になり、隣接するお好み焼き屋さんと一体となったリビングが完成しました。
スクールは当初、募集人数10名としていましたが、指導側の協力者があり主催側の学生さんも加わってくれたので、30名近い人数での実施となりました。
3夜連続のトークは、1日目が、株式会社いとうともひさ 伊藤智寿 & 合同会社廃屋 西村組 武田健太さん、2日目が、FROM FARM 大谷幸司さん & 善兵衛農園 井上信太郎さん、3日目が、めぐみと森のようちえん 佐道大倫さん & つくるがっこうイホルラ舎 柴田政治さん・たあつこ=かおりさん、という組み合わせ。建築・農業・教育などの話が展開されました。
トークは受講生以外も参加OKで各回50名上限としていましたが、結局立ち見が出るほど。
冷水浦という集落のなかで、朝・昼・晩と同じ釜の飯を食べ、明るい時間は30名近いみんなで建築作業をし、夕方はさらに大勢で賑わって、お酒片手に寝る間も惜しんで夜な夜なお互いの話をしたり花火をしたり、眠くなったら近隣の空き家を活用した滞在場所にそれぞれ帰っていき、また次の日「おはよう」からはじまる。なんとも濃い4日間でした。
最後となりましたが、各地から参加してくださった受講生の皆さま、イベント会場を満員御礼になるまで埋め尽くしてくださったゲストと参加者の皆さま、そして主催者である大阪公立大学工学部建築学科 建築計画・構法研究室をはじめとする運営関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
また、いつでも冷水浦に帰ってきてねー!